京都府

鎌達稲荷神社

〒601-8466 京都府京都市南区唐橋西寺町57−1

鎌達稲荷神社は、平安京の西寺跡に鎮座する古社です。伏見稲荷より古い「元稲荷」と伝わり、安倍晴明公の子孫・土御門家の祭祀を受けて天下泰平・五穀成就を祈った鎮守社でした。神字「サムハラ」を記した災難除けのお守りで知られます。

由来・伝承

境内の駒札によれば、当社は和銅四年(711年)、元明天皇の御代の鎮座とされる一方、安政四年(1857年)に奉納された御神鏡の記録では仏教伝来(538年)のころ、飛鳥時代にまでさかのぼるとされ、伏見稲荷大社よりも古い「元稲荷」と伝えられています。御祭神は、五穀と衣食住、生業の繁栄をつかさどる倉稲魂大神と、天孫降臨の道案内をつとめ、人事を良き方へ導く猿田彦大神の二柱です。

平安時代以降、当社は晴明公の子孫である安倍・土御門家の祭祀を受け、朝廷と人々のために天下泰平・五穀成就を祈願したと伝わります。土御門家は他の公家と異なり御所のそばに邸を構えず、梅小路に屋敷と天文台を置きました。鎌達稲荷神社はもと、その土御門邸の東方にあたる梅小路の地にあり、一家の鎮守社として祀られていたといいます。明治四十四年(1911年)、鉄道の軌道拡張にともなって西寺跡の現在地へ遷り、現在の社殿は平成八年(1996年)に建てられました。

鎮座地の西寺は、平安京の正門・羅城門の西側に東寺と対をなして建立された官寺で、境内跡は唐橋西寺公園として整備され、国の史跡に指定されています。西寺が衰えたのちも東寺が栄えたのは、当社が東寺の近くに祀られていたからだという言い伝えがあり、そこから勝運の信仰も生まれたとされます。

見どころ・授与品

境内はこぢんまりとして、本殿と、白菊稲荷大神を祀る末社、社務所が並びます。神職は常駐しておらず、御朱印は書き置き、お守りは授与所に備えられたものを自分で受け取り、初穂料を納める形です。小銭を用意して参拝するとよいでしょう。名高いのは、四文字の神字「サムハラ」を記した呪符のお守りで、駒札は災難除け、奇蹟を生むお守りと伝えています。境内には、一条戻橋の逸話で知られる僧・浄蔵貴所の塚と伝わる石もあります。

アクセス

所在地
京都市南区唐橋西寺町57-1
参拝
随時。参拝料なし
市バス
16系統「西寺前」下車、徒歩約1分
電車
JR「西大路」駅から陸橋を渡り東南東へ徒歩約10分
徒歩圏
稲住神社・円光寺(梅小路)まで北へ徒歩約8分

住宅と公園に囲まれた社です。授与品の在庫や受け方は変更されることがあります。

周辺の関連スポット

  • 稲住神社(下京区・梅小路)——土御門邸跡に晴明公を天文暦学の始祖として祀る社。当社がもとあった土御門邸の一角です。
  • 円光寺(下京区・梅小路)——土御門邸の天文台跡に建つ寺。庭に渾天儀の台石が残ります。
  • 一条戻橋(上京区・堀川一条)——浄蔵が父・三善清行を蘇らせたと伝わる橋。当社境内に浄蔵貴所の塚と伝わる石があります。
  • 天社土御門神道本庁(福井・名田庄)——土御門家が陰陽道宗家として祭祀を伝える本庁。

当社を鎮守とした土御門家の系譜——安倍晴明公から現在の子孫、家学を継ぐ天社土御門神道までは、読み物「安倍晴明の子孫と土御門家の現在」をご覧ください。

よくある質問

サムハラのお守りはいつでも受けられますか。
神職が常駐していないため、授与所に置かれたお守りを自分で受け取り、初穂料を納める形です。参拝は随時できますが、在庫や受け方は変わることがあります。
安倍晴明とはどのような関係ですか。
晴明公の子孫・安倍土御門家が祭祀を行い、天下泰平・五穀成就を祈願した鎮守社と伝わります。もとは梅小路の土御門邸の東方にあり、明治四十四年(1911年)に西寺跡の現在地へ遷りました。
「元稲荷」とはどういう意味ですか。
伏見稲荷大社の創建(和銅四年〈711年〉と伝わる)より古い稲荷社という意味です。当社は御神鏡の記録により仏教伝来のころの鎮座と伝えられ、元稲荷の一つに数えられています。

出典・参考

社寺・関係者の方へ:掲載内容の訂正、写真のご提供、取材・掲載のご相談はお問い合わせからお願いいたします。

最終更新:2026年8月30日

御祭神
倉稲魂大神・猿田彦大神
創祀
和銅四年(711年)と伝わる(御神鏡の記録では仏教伝来のころ)
通称
元稲荷
晴明公ゆかり
安倍・土御門家の鎮守社(旧地は梅小路の土御門邸東方)
授与品
サムハラ守り(災難除け)・御朱印は書き置き
参拝
随時・参拝料なし
所在地
〒601-8466 京都府京都市南区唐橋西寺町57−1
地図
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