福井県

天社土御門神道本庁

〒917-0375 福井県大飯郡おおい町名田庄納田終129−9

天社土御門神道本庁は、安倍晴明公を始祖とする土御門家が受け継いできた陰陽道の祭祀と暦術を、今に伝える宗家の本庁です。若狭・名田庄の山あいに鎮まる天社宮に、泰山府君大神(太一)を主祭神として晴明公をあわせ祀ります。

由来・伝承

天社宮の由緒は、当宮に伝わる縁起によれば、遣唐使として唐に渡った阿倍仲麻呂公が霊山・泰山より太一の御神体を授かり、吉備真備公に託して日本へ伝えたことに始まると伝わります。天平八年(736年)、聖武天皇は都の北方にあたる若狭国名田庄を「泰山府君祭料知行地」と定めたとされ、北は太一(北極星と北斗七星)の鎮まる最も尊い方位とされました。

平安の都では、天社宮は堀川一条葭屋町の晴明公邸内に鎮座していたと伝わります。応仁の乱で社殿は焼亡しましたが御神体は難を逃れ、長享二年(1488年)、安倍(土御門)有宣卿が正和六年(1317年)の花園天皇綸旨により祭料地とされていた名田庄へ神霊を遷し、居城を構えて天社宮を再興しました。以後百余年、名田庄は陰陽寮による国家祭祀が行われる太一信仰の聖地となります。

慶長五年(1600年)、安倍久脩卿は勅命により上洛して京都七条下ル唐橋に天社宮を再建し、翌年、徳川家康公より陰陽道宗家と仰せ付けられました。以後、歴代天皇と歴代将軍の即位に際して御祈願祭を斎行し、天和二年(1682年)には霊元天皇の勅宣により「天社宮」の尊称を賜っています。土御門家所蔵の「谷川文書」には、天社宮泰山府君を天照皇大神宮・春日大明神に次ぐ第三位に列した記録が残ると伝わります。

明治維新の天社禁止令によって天社宮は取り壊され、土御門家は京都の天文台と邸宅を失いました。それでも御神体は七十八年にわたり代々の土御門家が奉斎し続け、昭和十七年(1942年)の土御門神道同門会の結成、昭和二十一年(1946年)の天社土御門神道の再興を経て、昭和二十九年(1954年)に宗教法人天社土御門神道本庁として認証されました。御神体は京都での仮安置ののち、陰陽道の聖地である名田庄へ改めて遷宮され、現在に至ります。再興を担った管長・土御門範忠の歩みは「土御門範忠──最後の土御門子爵と天社土御門神道の管長」で辿れます。

見どころ

主祭神は泰山府君大神。古くから太一、泰一の御名で仰がれ、八百万の神々の始まりにまします大神とされます。天にあっては北極星と北斗七星の運行として顕れ、地にあっては泰山に坐す神として、陰陽・五行・日月星辰・四時の巡りのすべてがそこから生じる根本の理と説かれます。日本の社寺に伝わる厄年も、この太一の巡りから定まる「太一定分の厄年」に由来すると伝えられます。鎮宅霊符尊神と安倍晴明公もあわせて祀られています。

境内には本殿のほか、四方に鳥居を配して祭儀を行う「天壇」、土御門(安倍)家の墓所があり、陰陽道の祭祀が今も営まれる空間そのものが見どころです。当宮には「土御門文書編纂所」が置かれ、陰陽士が古来の文献と祭祀の伝承を管理し、晴明公以来と伝わる暦術に基づく暦を編んでいます。授与所では御守・神札のほか、日々の干支・撰日・方位・季節の巡りを記したこの暦を受けることができます。

年中行事

正月
泰山府君本命属星祭(一年の星を祀る祈祷祭)
夏
名越祓・八朔祈祷祭

祭儀の日程・受付は年ごとに公式サイトで案内されます。参拝・御祈祷は事前のご確認をおすすめします。

天社宮の祈願祭・解除の儀・星祭などの祭祀と、遠方からの申し込みの流れは「土御門殿の祭祀に参じる」でご案内しています。

アクセス

所在地
福井県大飯郡おおい町名田庄納田終129-9
公共交通
JR小浜線「若狭本郷」駅から車で約30分。おおい町営バス「白矢」バス停下車、徒歩約2分
車
舞鶴若狭自動車道「大飯高浜IC」から南川沿いに名田庄方面へ約40分。京都市内からは国道162号(周山街道)で約2時間
参拝
宗教法人の本庁のため、参拝・御祈祷・取材は事前連絡を推奨

山間部のため、大雨時は通行規制が行われることがあります。所要時間は目安です。

周辺の関連スポット

  • 天壇 泰山府君社跡(同じ名田庄)——応仁の乱を逃れた安倍家が居城を構え、泰山府君を奉祀した地。晴明公の母を祀る葛の葉稲荷神社も伝わります。
  • 暦会館(名田庄納田終)——土御門家が名田庄で三代にわたり天文暦学の道場を開いたことにちなむ、暦と天文の資料館。
  • 賀茂神社(福井市加茂町)——晴明公の師と伝わる賀茂氏を遠祖に仰ぎ、秘伝書による三百種の守札を授与する古社。
  • 安倍晴明の墓(五輪塔)(若狭町無悪)——鎌倉時代の作風とされる町指定の石塔。晴明公の墓と伝わります。

よくある質問

天社宮と晴明神社(京都)はどう違うのですか。
晴明神社は晴明公の屋敷跡に晴明公の御霊を祀る神社です。天社宮は晴明公の子孫・土御門家が陰陽道宗家として受け継いできた祭祀の宮で、主祭神は泰山府君大神(太一)、晴明公はあわせて祀られています。
なぜ福井の名田庄にあるのですか。
名田庄は古くから泰山府君の祭料地と定められた土地で、応仁の乱ののち土御門家が京都から神霊を遷し、居城を構えて天社宮を再興した地だからです。戦後の再興でも、御神体はこの地へ改めて遷宮されました。
一般の参拝はできますか。
参拝できますが、宗教法人の本庁であり観光施設ではありません。祭儀や御祈祷に合わせた訪問や取材は、公式サイトの案内に従い事前にご連絡ください。

出典・参考

  • 陰陽道宗家 天社宮 公式サイト(天社宮由緒・御祭神・授与所・お知らせ)
  • 土御門家所蔵「谷川文書」(天社宮由緒の記述による)
  • 福井県観光連盟「ふくい平安めぐり」(境内の構成)

社寺・関係者の方へ:掲載内容の訂正、写真のご提供、取材・掲載のご相談はお問い合わせからお願いいたします。

最終更新:2026年9月23日

御祭神
泰山府君大神(太一)・鎮宅霊符尊神・安倍晴明公
社号
天社宮(天和二年〈1682年〉霊元天皇勅宣)
宗家
陰陽道宗家 土御門家(慶長六年〈1601年〉徳川家康公より)
法人
宗教法人 天社土御門神道本庁(昭和二十九年認証)
主な祭儀
泰山府君本命属星祭・名越祓・八朔祈祷祭
所在地
〒917-0375 福井県大飯郡おおい町名田庄納田終129−9
地図
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公式サイト
https://onmyodo.jp/
Instagram
https://www.instagram.com/tsuchimikado_shindo/
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