川口神社
川口神社(かわぐちじんじゃ)は、利根川河口の右岸、銚子漁港を見下ろす川口町の高台に鎮座する神社です。明治の初めまで「白紙(歯櫛)明神」と呼ばれ、大正六年(1917年)刊の『千葉県海上郡誌』には、晴明公を恋い慕った長者の娘・延命姫の歯と櫛を埋めて祀ったのが歯櫛明神の起こりだと記されています。
由来と見どころ
銚子市観光協会によれば、川口神社は明治初めまで「白紙(歯櫛)明神」と呼ばれ、川口町の高台にあって利根川の流れと出入りする船の眺めがすばらしい神社です。大正六年(1917年)刊の『千葉県海上郡誌』は「川口神社」の項で、鎮座地を本銚子町字飯貝根、祭神を速秋津姫命とし、創建は不詳ながら寛和二年(986年)頃かと伝え、旧称を白紙明神、明治三年(1870年)閏十月に川口神社と改めて明治十二年(1879年)に村社に列したと記します。利根川口を出入りする漁船の守り神として、当時すでに銚子一円から茨城・福島に及ぶ約三万人の崇敬者を数えたともあります。同書が伝える晴明伝説はこうです。昔、当国四日市場(海上村)の長者の娘・延命姫が安倍晴明を恋い慕い、ついに夫婦となったが、晴明はこれを厭って家を逃れ、履を小浜(豊岡村)の浜に残して親田村の真福寺に隠れた。姫は晴明が水死したものと思い、海に身を投じて死んだ。土地の人がその不幸を憐れみ、姫の歯と櫛をここに埋めて歯櫛明神と呼んだのが、いつしか誤って白紙明神と称されるようになった、と。同書はまた、容貌に悩む人が櫛や鏡を納めて祈れば必ず美貌になるといい、あざ除けの白粉を頒っていたとも記しています。同じ『海上郡誌』の「通漣洞」の項では、長者を垣根長者とし、姫が身を投げた小浜磯見川の河口の洞(通漣洞)を土地の人が「延命が淵」と呼ぶと記しており、伝えには異同があります。銚子市観光協会の案内では、晴明公は通蓮洞(屏風ケ浦)へ逃げて近くの寺に隠れ、姫は屏風ケ浦に身を投げ、利根川の河口に流れ着いた歯と櫛を祀ったのが川口神社といわれる、と伝えます。なお、延命姫の供養塔は市内垣根町の阿弥陀院にあり、銚子市デジタルアーカイブの目録に収められています。
参道の石段の途中には、網にかかって死んだ海亀を葬った亀の墓があります。大潮まつりは、旧暦六月十五日にあたる日に行われ、大漁と海上安全を祈願して、漁業関係者が重さ1トン級の大神輿を担ぎます(銚子市観光協会)。令和8年は7月28日でした(銚子市観光協会の公式Xの案内)。周辺には利根川河口や、海難漁民の慰霊塔が立つ千人塚があります。
アクセス
- 所在地
- 千葉県銚子市川口町2丁目6378
- 参拝
- 自由(駐車場なし)
- バス
- JR総武本線「銚子」駅から川口線「明神下」下車、徒歩1分
周辺の関連スポット
- 清明稲荷(銚子市飯沼町)——飯沼観音のそばにある、社名に「清明」の字を持つ小さな稲荷社。
- 安倍晴明生誕地(茨城県筑西市猫島)——『簠簋抄』が晴明公の生誕地と記す猫島の晴明橋公園。
- 晴明神社(京都・堀川一条)——晴明公の屋敷跡に創建された晴明信仰の中心。
よくある質問
- 歯櫛明神とはどのような伝説ですか。
- 大正六年(1917年)刊の『千葉県海上郡誌』によれば、晴明公を恋い慕った長者の娘・延命姫が、夫婦となったのちに逃れた晴明公を水死したものと思って海に身を投げ、土地の人が姫の歯と櫛を埋めて祀ったのが歯櫛明神の起こりで、のちに誤って白紙明神と称されたと伝わります。同書の別の項では長者を垣根長者とするなど、伝えには異同があります。
- 「川口神社」の名はいつからですか。
- 明治三年(1870年)閏十月に旧称の白紙明神から川口神社に改め、明治十二年(1879年)に村社に列したと、同書は記します。祭神は速秋津姫命とされます。
- どう行けばよいですか。
- JR総武本線「銚子」駅から川口線バスで「明神下」下車、徒歩1分です。参拝は自由で、駐車場はありません。大潮まつりは、旧暦六月十五日にあたる日に行われます(銚子市観光協会)。
出典・参考
- 銚子市観光協会「川口神社」(白紙〈歯櫛〉明神の旧称、高台の眺望、亀の墓、大潮まつり、所在地・アクセス)
- 『千葉県海上郡誌』(千葉県海上郡教育会、大正六年・1917年) 第十一章 神社 第二節 村社「川口神社」(968〜969頁:鎮座地・祭神・寛和二年頃の創建説・白紙明神からの改称・延命姫の伝説・櫛鏡の奉納と白粉)、第十八章 傳説迷信 第一節 傳説「通漣洞」(1407〜1408頁:垣根長者・延命が淵)。千葉県立図書館デジタルアーカイブの原本画像で確認
- 銚子市デジタルアーカイブ(ADEAC) 目録「延命姫供養塔」(垣根町一丁目 阿弥陀院)・「川口神社本殿」(歯櫛明神)
- 銚子市観光協会「銚子ジオパーク散策コース」(延命姫の伝説、通蓮洞、歯と櫛)
- 銚子市観光協会(公式X)(令和8年の大潮まつりの日付)
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最終更新:2026年10月11日
- 御祭神
- 速秋津姫命
- 創建
- 不詳。寛和二年(986年)頃と伝わる(『千葉県海上郡誌』)
- 伝承
- 延命姫の歯と櫛を埋めて祀った歯櫛明神。白紙明神を経て明治三年(1870年)閏十月に川口神社(『千葉県海上郡誌』)
- 祭礼
- 大潮まつり(旧暦六月十五日)
- 参拝
- 自由(駐車場なし)
- 所在地
- 〒288-0001 千葉県銚子市川口町2丁目6378
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