大阪府

信太森葛葉稲荷神社

〒594-0081 大阪府和泉市葛の葉町1-11-47

信太森葛葉稲荷神社は、大阪府和泉市葛の葉町に鎮座し、正式には信太森神社、通称を葛葉稲荷神社といいます。公式サイトによれば創建は和銅元年(708年)。この社には、阿倍野の若者・安倍保名と、白狐の化身・葛の葉姫の恋物語が伝わり、二人の間に生まれた子が陰陽師・安倍晴明公であると語り継がれています。晴明公の母の里として、和泉市は境内の楠の巨木「千枝の楠」を市指定天然記念物とし、江戸時代の土御門家も「信太明神」をこの伝説ゆかりの旧跡に数えました。

由来・伝承

公式サイトの由緒が語る物語はこうです。昔、阿倍野の里に安倍保名という若者がいて、家の再興を願って信太の森の稲荷に日参していました。ある日、狩人に追われた一匹の白狐が助けを求めて駆け寄り、保名は狐を草むらに隠して狩人と争い、傷ついて気を失います。目覚めると葛の葉と名乗る美しい女性に介抱されており、やがて二人は夫婦となって男の子を授かりました。しかし子が五つになった秋、添い寝をするうちに神通力を失った葛の葉は狐の正体を現し、それに気づいた我が子を残して、口にくわえた筆で一首を書き置いて去ります。「恋しくは たづねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみくずの葉」——母を慕って泣く子を背負い、妻の名を呼びながら森を訪ねた保名が見たのは、社の一面に茂り、声に応えるように葉裏を見せてざわめく葛の葉だったといいます。この子がのちの安倍晴明公です。稲荷の神使である狐が、この社では宇迦之御魂大神・素戔嗚尊とともに神そのものとして敬われている、と公式サイトは記しています。

この物語は歌舞伎・文楽の『蘆屋道満大内鑑』「葛の葉子別れ」として今も上演され、大阪の安倍晴明神社には葛之葉霊狐の飛来像が立ちます。安倍晴明神社の公式サイトによれば、宝暦四年(1754年)に土御門家が定めた晴明公七箇所の旧跡「晴明霊社旧地之次第」にも、当社は「晴明公の母君・葛之葉姫ゆかりの地」として信太明神の名で挙げられています。

見どころ

参道・灯篭

千枝の楠(市指定天然記念物)

和泉市の文化財紹介によれば、境内の楠の巨木「千枝の楠」(市指定天然記念物)は白狐が姿を隠したと伝わる木です。

姿見の井戸と白狐石

白狐が葛の葉姫に化けたときに姿を映したという「姿見の井戸」、狐が人を化かしたと伝わる「白狐石」も残ります。姿見の井戸は水面に姿が映れば無事に帰れるといわれ、日露戦争以降、出征する兵士やその家族が無事を祈って詣でたといいます。

社号標

和泉式部の歌碑と芭蕉の句碑

境内には和泉式部の歌碑「秋風はすこし吹くとも葛の葉のうらみがほにはみへじともおもう」と、松尾芭蕉の句碑「葛の葉の表見せけりけさの霜」も立ちます。

拝殿

夫婦楠と子安石

公式サイトによれば、本殿左手の御神木は一本の幹が二手に分かれる「夫婦楠」と呼ばれ良縁祈願・夫婦円満の信仰を集め、子授け・安産を願う「子安石」の前には二匹の狐が並びます。

連続鳥居

張り子の狐

商売繁盛・開運招福を願う張り子の狐も当社ならではの授与品です。

アクセス

所在地
〒594-0081 大阪府和泉市葛の葉町1-11-47
参拝
境内自由。社務所の受付時間・ご祈祷は公式サイトで確認
電車
JR阪和線「北信太」駅から徒歩5分(公式サイト「アクセス」)。天王寺からは阪和線快速で鳳(約17分)、普通に乗り換えて北信太(約4分)。所要時間は目安
問い合わせ
0725-45-7306

住宅地の中に鎮座する神社です。参拝は静かに、近隣への配慮をお願いします。

周辺の関連スポット

  • 安倍晴明神社(大阪市阿倍野区)——保名の故郷・阿倍野に建つ晴明公生誕伝承地の社。葛之葉霊狐の飛来像がある。
  • 阿倍王子神社(大阪市阿倍野区)——阿倍氏の氏神。境内社の葛之葉稲荷社で初午祭が営まれる。
  • 葛ノ葉稲荷社(愛知県あま市)——同じ葛の葉伝説を伝える尾張の小社。
  • 安倍文殊院(奈良県桜井市)——安倍一族の氏寺。晴明公の幼少期の伝承を伝える。

よくある質問

信太森葛葉稲荷神社と安倍晴明にはどのような関係がありますか。
安倍保名に救われた白狐が葛の葉姫となって保名と結ばれ、生まれた子が晴明公であると伝わる、晴明公の母の里です。正体を現した葛の葉が「恋しくは たづねきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみくずの葉」の歌を残して去った舞台とされています。
正式な名称は何ですか。
正式名称は信太森神社で、葛葉稲荷神社・信太森葛葉稲荷神社は通称です。創建は和銅元年(708年)と伝わります。
見どころは何ですか。
白狐が姿を隠したと伝わる市指定天然記念物「千枝の楠」、姿見の井戸、白狐石、和泉式部の歌碑と芭蕉の句碑、夫婦楠、子安石などがあります。

出典・参考

社寺・関係者の方へ:掲載内容の訂正、写真のご提供、取材・掲載のご相談はお問い合わせからお願いいたします。

最終更新:2026年9月5日

正式名称
信太森神社(通称 葛葉稲荷神社)
創建
和銅元年(708年)と伝わる
晴明公ゆかり
母・葛の葉姫(白狐)の伝説の地。土御門家の七箇所旧跡「信太明神」
文化財
千枝の楠(和泉市指定天然記念物)
参拝
境内自由
所在地
〒594-0081 大阪府和泉市葛の葉町1-11-47
地図
Googleマップで見る
公式サイト
http://www.kuzunohainari.com/
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